Pocket Watch U

 


  時計に詳しくもない私が、ウェスタンの隠れたアイテムとしての懐中時計のクォーツに飽き、機械式、いわゆる「手巻き式」を”一つ欲しいな”と思ったとき、既に蟻地獄の入り口に足をとられてしまっていた。

  たくさんの種類のひとつ一つにそれぞれの持つ魅力に驚かされ、これも欲しいあれも欲しいときりがないが、唯一救いはどちらかと云うと「ハンターケース」の方が好きで、「オープンフェイス」にはあまり目が向かないことと、ブランドやメーカーにはあまりこだわらず、見た目の気に入ったものを選んでいることでしょうか。

  おかげで、少しだけ懐中時計の「うんちく」に目覚めた。

Macky立木

 

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1864〜1865年 イギリス 鍵巻き 鎖引き 銀無垢オープン・フェイス
 


竜頭部分を含まない直径38mm(女性用?)

 
 
 

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1865〜1866年 イギリス Ramsay 鍵巻き 鎖引き 銀無垢オープン・フェイス


竜頭部分を含まない直径49mm
 


「オープン・フェイスとハンター・ケース」

  時計の前面がガラスだけで、カバーのないものをオープン・フェイス、カバーのあるものをハンター・ケースと呼ぶ。
ハンターなどアウトドァ派にガラスの保護を目的としている。

  また、カバーの中央部分を針が見えるように開けてあるものをデミ・ハンター、別名ナポレオンケースとも呼ぶ。
嘘かホントか知らないけれど、かのナポレオンが、いちいち蓋を開けるのが面倒なので真ん中をナイフでくり貫いたとか。

  基本的に12時の位置はオープン・フェイスはぶら下げた状態で上(竜頭方向)、ハンター・ケースは竜頭を右側にして
上が12時となっている。
  もし違っている場合は、何らかの理由(ケースの取替え等)によって変えられた可能性がある。

 
この時計にはぜんまい用と時刻合わせの鍵のサイズが異なるため2本の鍵がついている。
 


  古いイギリスの金無垢、銀無垢を使用した時計は当時ギルド制度により、ケースや部品を金銀細工組合のマーク入りのものを使うことを強要されていた為、ホールマークにより、かなり詳細な製造年が特定できる。

  しかし、ギルドの後発組合の時計職人は組合同士での発言権も弱く組合同士の利害関係にぶつかることを避けるため金張り、銀張り、あるいはめっき製品を使用する方に多くが流れたようだ。

   

ホールマークによると1865年〜1866年
の間に作られたものであることが判る。

 


「鍵巻き」

ぜんまいを竜頭で巻くのではなく、専用の鍵を使って巻くもの、時間合わせも鍵を使用する。

 


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1875年頃 イギリス 鍵巻き ハンターケース シリンダー脱進機  

   

材質不明  薄く、わりと硬い。シルバーではないようだ。

竜頭部分を含まない直径50mm

   
 
 


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1900年頃 CONGRESS 竜頭巻き ハンター・ケース 剣引き剣回し


これも材質不明。

竜頭部分を含まない直径43mm
 
   
 
 
 

「剣引き剣回し」(レバーセット)


ふつうの竜頭でぜんまいを巻くタイプですが、竜頭をひっぱても出ないもの。
時間合わせは、この時計の場合4時と5時の間の位置にあるレバー(剣と呼ぶ)を引っぱり出し、
竜頭を回して針(これも剣と呼ぶ)を合わせるので、剣引き剣回しと云う。
 

「FOB」

チェーンについているフォブは元々鍵巻き時計の鍵をつけていたが、時計が竜頭式に変わり、鍵を付けなくなったので、替わりにメダルやロケット、金銀の細工物を付けたのだろう。
 


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1894〜5年頃 アメリカ ELGIN ハンター・ケース 竜頭巻き
 

ケースは薄くて柔らかいけどマークがないから金めっき?かなぁ

竜頭部分を含まない直径43mm
   
 
 
 


アメリカの時計は機械本体の製造番号でおよその年代の特定が出来る。
スイスは殆ど特定はむづかしい、機械の種類での判断だろうか。

 


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1900年頃 スイス 銀無垢ハンターケース ダボ押し(サイド・プッシュ)


竜頭部分を含まない直径48mm
 


「ダボ押し(サイド・プッシュ)」

これも竜頭をひっぱても出ないもの。時間合わせは、この時計の場合4時の位置にあるボタン?(ダボと言う)
を爪で押しながら竜頭を回して針を合わせるもので、「ダボ押し式(サイド・プッシュ)」と呼ぶ。

   
  ケースは薄く柔らかい(.800の刻印)
 
  
 
 


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1895年 アメリカ ILLINOIS ハンターケース 剣引き剣回し

 



竜頭部分を含まない直径56mm
   
   
これもマークがついてないので金めっき?
 


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アメリカ  COOK COUNTY WATCH Co 真鍮製ハンターケース 剣引き剣回し 
(金とはちょっと違う金色)
1800年代後半?


竜頭部分を含まない直径55mm
   

 中蓋の裏側に半分位きれいなピンク・ゴールドが残っているので、めっきの剥がれが多くなってきたので研磨して真鍮の地金を出したのか、元々真鍮地金の製品だったものか、なんて想像してみるのも面白い。

 アンティークの楽しみは毎日のように横にしたり裏返して見たり、キズだと思っていたものが刻印だったりする新しい発見をすることかもしれません。

 


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1877年 イギリス 鍵巻き 銀無垢ハンターケース イングリッシュ・レバー脱進機
         

竜頭部分を含まない直径50mm
   
   
   
脱進機は、ぜんまいが一度に戻ろうとする力を一旦止めて、開放して、という働きをしている。とけいのチクタク鳴る音は脱進機の音で現在のアンクル脱進機に至るまでにはたくさんの種類が考案された。

 少し専門的な説明になるので私のレベルではこの程度しかできません。
 

 

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1900年頃  スイス LONGINES 銀無垢 鍵巻き ハンターケース イングリッシュレバーとアンクル型の折衷型
 


竜頭部分を含まない直径51mm

鍵巻き・・・鍵を使って巻き上げと時間合わせをする面倒くささが気に入ってます。
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1970年頃?  日本 SEIKOSHA 竜頭巻き オープン・フェイス

 

竜頭部分を含まない直径60mm

 

 

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